これからそんな例を少しお話しましょう。
Yes か No かが、運命の別れ道なのです。
例えば、“Would you like some coffee?”(コーヒーいかがですか)と聞かれました。いらない時、あなたはどう答えますか。“No,thank you.”(いいえ、結構です)とうまく答えられましたね。
ここまでは問題ありません。
ところが、相手が親切にも、もう一度聞いてきました。
“No coffee?”(コーヒーいらないのね?)
さあ、今度はどう答えたらいいのでしょう。
「はい、いりません」と答えたいので、つい“Yes,thank you.”と答えてしまったらアウト!相手は『最初はいらないって言ったのに、不思議な人』と思いつつコーヒーを持ってきてくれます。
つまり、英語ではいらないのなら最後までNoと言うべきなのであって 、Yes と答えると “Yes,I'd like some coffee.”(はい、コーヒーをいただきたいです)の意味になるのです。
これは日本語と英語の『言語的相違』からくる誤解の典型です。日本語では、「はい(あなたの言っていることは正しいです)、いりません」という使われ方をするので、それに慣れている日本人にはややこしく感じるのです。
さて、ニューヨークに出張に行ったある日本人が、昼食をカフェテリアでとることにしました。
ハンバーガーが好物なので、“Hamburger,please.”(ハンバーガーください)と頼みました。
すると、カフェテリアのおばさん、売り上げを伸ばそうと“Potato?”(ポテトは?)とソツがありません。
その日本人も余計なお金は使いたくないし、ポテトは少々苦手なので、大きな声で“No!”と答えました。
ところがもう一度確認しておいたほうが無難だと思ったのか、もう一度“No potatoes?”(ポテトいらないのね?)と聞いてきました。
そこでこの日本人、「はい(その通りです。ポテトはいりません)」をそのまま英語に直してしまいました。大きな声で、今度は“Yes!”と答えたのです。
その瞬間、彼のお皿にはドサドサと出盛りにポテトがつがれてしまいました。
この場合も「いらない」のであれば、最後まで No と言わなければなりませんでした。
つまり、英語では Yes と言えばその後に必ず『肯定文』、No と言えば必ず『否定文』が続くとみなされるので、「はい(いりません)」は英語では“No,(I don't want any potatoes)”となるのです。
ところが、日本語に慣れてしまっている日本人には、この辺が少し難しく感じるのです。
ところで、このカフェテリアのおばさん、このあと知人に「日本人にポテトを売るのは、この方法が一番だわ」と話してたとか話さなかったとか……。
